こんにちは、かちょうです。「投資信託とETF、結局どっちを買えばいいの?」というのは、投資を始めたばかりの方からよく聞かれる質問です。この記事では、先に結論からお伝えしたうえで、なぜそう考えるのかを説明します。
※本記事は執筆時点における一般的な制度・考え方の説明です。取扱商品・手数料・NISAの対象範囲などの最新情報は、金融機関・運用会社・金融庁の公式情報で確認してください。特定の商品への投資を推奨するものではありません。
結論:オルカンと現金だけで十分。ETFは「興味が出たら」でいい
投資を始めたばかりの方に伝えたいことは、実はとてもシンプルです。
- 投資信託、いわゆる「オルカン」を毎月コツコツ積み立てる
- あとは「オルカンと現金の比率」だけを管理する
「オルカン」とは、全世界の株式にまとめて分散投資できるインデックスファンドの愛称です(特定の1社の商品名ではなく、似た仕組みの商品が複数の運用会社から出ています)。ただし、時価総額加重のため実際には構成の6割前後が米国株になっていること、地域は分散されていても資産の種類としては「株式」1本に集中していることは知っておきましょう。株式相場全体が下がる局面では、オルカンもまとまって値下がりします。私自身も、毎月の積立の中心はオルカンにしています。
正直、オルカンだけでも十分だと思っています。投資に詳しくなってくると、値動きの異なる資産を組み合わせたり、個別株に興味が出たりして、あれこれ手を出したくなるものです。ですが、長期でコツコツ積み立てるオルカンに結局は勝てないというのが実感です。ETFを組み合わせるのは「必須のステップ」ではなく「こねくり回したくなったとき」の選択肢、資産のごく一部を個別株に振り向けるのも同じ位置づけです。ただし積立投資は地味でつまらないのも事実。値動きをリアルタイムで見る楽しみもなければ、配当を受け取る実感もありません。経済の勉強をしたい人、配当を定期的に受け取りたい人には、ETFや個別株を少し組み合わせるのも一つの考え方です。
「オルカンに勝つのは難しい」は投資の世界でもよく言われています
- ウォーレン・バフェットは2013年の株主への手紙で、自分の死後の妻の信託財産について「10%を米国短期国債、90%を超低コストのS&P500インデックスファンドに」と指示したと明かしています。高額な手数料のファンドマネージャーより優れた成果が期待できるためです。まとまった資産の運用先に迷ったら、まず低コストのインデックスファンドを軸に考えるとよいでしょう。
- バフェットは2008〜2017年、ヘッジファンド運用会社と「10年でS&P500に勝てるか」を賭け圧勝しました(自身約126% vs ヘッジファンド平均約36%)。「プロに預ければ勝てる」と思い込まず、まず低コストの選択肢と比較する価値があります。
- バンガード創業者ジョン・C・ボーグルの「針を探すな、干し草の山ごと買え」は、個別株の当たり探しよりインデックスファンドを選ぶべきという考え方です。
- チャールズ・エリス著『敗者のゲーム』は、プロでも市場平均に勝ち続けるのは難しく、個人投資家は一発逆転を狙うより「大きなミスをしないゲーム」を目指すべきと説きます。
過去の実績が将来を保証するわけではありませんが、著名な投資家がそろって同じ趣旨を語っている以上、オルカンの積立を軸にする考え方は理にかなっていると思います。

そもそもETFと投資信託はどう違うのか
| 比較項目 | 投資信託(オルカンなど) | ETF |
|---|---|---|
| 買い方 | 金額指定で自動積立 | 取引所で株式のように売買 |
| 価格 | 1日1回の基準価額 | 取引時間中リアルタイム |
| 分配金 | 再投資型なら自動 | 現金で受取、再投資は自分で |
オルカンと似た値動きのETFにはVT、2559(MAXIS全世界株式)、米国株式(S&P500)にはVOOなどがあります(参考の例示です)。積立投資の基本的な考え方もあわせて確認してください。
それでもETFに興味が出たときの3つの視点
1.値動きを抑えたいとき:債券に連動するETF
個人向け国債はNISA口座で購入できませんが、国内外の国債に投資するETF(例: 1656、iシェアーズ・コア米国債7-10年ETF)なら成長投資枠(年間240万円、生涯1,200万円、つみたてと合わせ1,800万円)で購入できるものがあります。残存期間(デュレーション)が長い国債ほど金利変動時の値動きは大きく、債券そのものが常に穏やかとは限りません。それでも組み合わせる意味があるのは、株式が売られる局面では安全資産として国債が買われやすく「逆方向に動きやすい」傾向があるためです。ただし2022年のような急速な利上げ局面では株式・債券がそろって下落したこともあり、必ず値動きが小さくなるとは限りません。割合の考え方は資産配分の決め方で解説しています。
2.個別株よりリスクを抑えたいとき:パッケージ化された分散効果
ETFは複数銘柄があらかじめパッケージになっているため、1社の業績に左右されにくいのが特徴です(例: 1306はプライム市場の1,000社超に投資)。ただし半導体や金などテーマを絞ったETFは値動きが大きくなりやすく、「ETFだから安心」とは限らないので中身の確認が必要です。
3.配当金を定期的に受け取りたいとき:高配当ETF
オルカンは値上がり益(キャピタルゲイン)を積み上げるタイプですが、高配当ETF(例: VYM、SCHD、1489)は定期的な分配金(インカムゲイン)を受け取りたい人向きです。ただし分配金は再投資しない限り複利で増え続けるわけではなく、資産を増やす効率だけで見ると投資信託より劣る場合があります。

基本の型と、興味が出たときの広げ方
- 基本:投資信託(オルカンなど)の積立と現金の比率だけを管理する。これだけで十分。
- 興味が出たら:値動きを抑えたいなら債券ETF、配当を楽しみたいなら高配当ETFや個別株を少しだけ組み合わせる。
2は「やらなければならないこと」ではありません。資産を増やす効率だけで見れば、結局オルカンの積立に勝つのは簡単ではない、というのが実感です。
コストは信託報酬だけで判断しない
信託報酬(保有中に差し引かれる費用)の低さだけでなく、次の費用・条件も確認しましょう。
- 購入時や売却時の手数料
- ETFの売値と買値の差である「スプレッド」(取引が少ない銘柄では広がりやすい)
- 外国資産に投資する場合の為替関連コスト
- 外国籍ETFの場合、分配金にかかる外国税額控除の確定申告など税務処理の手間
信託報酬が低くても、売買条件まで含めると想定より負担が大きくなることがあります。保有・売買・再投資までトータルで確認する習慣をつけましょう。
ETFと投資信託に関するFAQ
Q1. 最初からETFで始めてはいけませんか?
A. 絶対にいけないわけではありませんが、投資を始めたばかりの段階では、自動積立でき管理もシンプルな投資信託から始めるほうが挫折しにくいでしょう。ETFは値動きを見ながら自分で注文する場面が出てくるため、慣れてから組み合わせるのがおすすめです。
Q2. 国債に投資したい場合、個人向け国債とETFのどちらがよいですか?
A. 個人向け国債は元本割れしにくい安全性が特徴ですが、NISA口座では購入できません。NISA口座内で債券に投資したい場合は、国債などに連動するETFを検討することになります。非課税メリットを使いたいか、元本の安全性を最優先したいかによって変わります。
まとめ
投資を始めたばかりの方は、投資信託(オルカンなど)の積立と現金の比率を管理するだけで十分だと考えています。ETFを組み合わせることは必須のステップではなく、資産や知識が増えて興味が出たときの選択肢です。値動きを抑えたいときは債券ETF、配当収入を楽しみたいときは高配当ETFというように、無理のない範囲で広げていけば十分です。地味に思えても、結局はコツコツ積み立てるオルカンが一番手堅い、というのが実感です。



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