育児休業給付金とは?会社員が知っておきたい仕組みと申請のポイント

制度・税金

子どもが生まれた後に育児休業を取りたいと思っても、「休んでいる間の収入はどうなるのだろう」と不安を感じる方は多いでしょう。そんな会社員の生活を支える制度が、雇用保険の育児休業給付金です。

ただし、育児休業を取れば自動的に振り込まれるわけではありません。雇用保険の加入期間や休業中の働き方などの条件があり、申請手続きも必要です。この記事では、給付額の考え方から申請の流れ、見落としやすい注意点まで分かりやすく解説します。

育児休業給付金とは

育児休業給付金は、会社員などが原則として1歳未満の子どもを育てるために育児休業を取得し、一定の条件を満たした場合に雇用保険から支給される給付金です。

育児休業そのものは、法律に基づいて仕事を休める制度です。一方、育児休業給付金は、その休業中の収入減少を補うためのお金です。「休める権利」と「休業中にもらえるお金」は別の制度だと考えると理解しやすいでしょう。

給付金は勤務先の給与ではないため、会社が全額を負担するものではありません。また、原則として所得税の課税対象にならず、育児休業中は一定の条件を満たすことで健康保険料と厚生年金保険料も免除されます。ただし、住民税は前年の所得をもとに計算されるため、育児休業中にも支払いが発生することがあります。

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どのような会社員が対象になる?

雇用保険に加入していることが基本

主な対象は、雇用保険に加入し、育児休業を取得する会社員です。正社員だけに限られる制度ではなく、契約社員やパートなどでも条件を満たせば対象になる可能性があります。

一般的には、育児休業の開始前2年間に、賃金の支払いの基礎となった日が一定数以上ある月、または一定時間以上働いた月が通算して12か月以上必要です。病気などで長期間働けなかった事情がある場合は、確認する期間が延長されることもあります。

休業中の働き方にも条件がある

育児休業給付金は、仕事を休んで育児をする人を支える制度です。そのため、休業中に通常どおり働いていると、支給対象にならない場合があります。

一時的に働くことが直ちに禁止されるわけではありませんが、支給対象期間ごとに就業日数や就業時間の上限があります。勤務先から給与が支払われた場合は、金額に応じて給付金が減額されたり、支給されなかったりすることもあります。休業中に働く可能性がある方は、事前に人事・労務担当者へ相談しましょう。

いくら受け取れるの?

休業前の賃金をもとに計算される

給付額は、原則として育児休業を始める前の一定期間に支払われた賃金をもとに計算されます。基本給だけではなく残業代や各種手当なども計算に含まれることがありますが、賞与は通常含まれません。

育児休業の開始から一定期間は、休業前賃金のおおむね67%相当、その後はおおむね50%相当が基本的な目安です。ただし、実際の計算には支給日数や上限額が関係し、休業中に勤務先から給与を受け取ると調整される場合があります。

「毎月の手取りにそのまま割合を掛ければよい」という計算ではありません。給付金の基準になるのは、税金や社会保険料が差し引かれる前の賃金です。家計を見積もるときは、会社の試算や公的機関のシミュレーションも活用するとよいでしょう。

出生直後には別の給付もある

子どもの出生直後に一定期間の育児休業を取得した場合は、出生時育児休業給付金の対象になることがあります。これは、いわゆる産後パパ育休などに対応する給付です。

さらに、子どもの出生直後の決められた期間内に、原則として夫婦とも一定日数以上の育児休業を取得するなどの条件を満たすと、出生後休業支援給付金が上乗せされる場合があります。一人親など、配偶者の育児休業を要件としないケースもあります。名称が似ているため、自分がどの給付に当てはまるかを勤務先に確認しておくことが大切です。

いつまで受け取れる?

育児休業給付金の支給対象は、原則として子どもが1歳になるまでです。ただし、夫婦で育児休業を取得する場合に利用できる特例や、保育所などに入れないといった事情がある場合の延長制度があります。条件を満たせば、1歳を超えて支給対象期間が延びることがあります。

延長は自動的に認められるわけではありません。保育所などを利用する意思があり、職場復帰のために申し込んだことを確認する書類が必要です。一般的には、利用申込書の写しや自治体が発行する入所保留通知書などを提出します。

「給付期間を延ばすためだけに、入所する意思がない保育所へ申し込む」といった手続きでは、延長が認められない可能性があります。自治体への申込期限を過ぎると必要な書類を用意できないこともあるため、早めに住んでいる地域の入所スケジュールを確認しましょう。

申請の基本的な流れ

育児休業給付金の申請先は、勤務先の所在地を管轄するハローワークです。原則として勤務先を通じて手続きをしますが、本人が希望すれば自分で申請できる場合もあります。

  1. 育児休業を取りたい期間を家族で相談する
  2. 勤務先へ育児休業の申出をする
  3. 会社に給付金の申請方法と必要書類を確認する
  4. 母子健康手帳の写しや振込先情報などを準備する
  5. 会社がハローワークへ受給資格確認と支給申請を行う
  6. 支給決定後、指定した口座への入金を確認する

初回申請では、休業期間や賃金の支払い状況を確認する書類などが必要です。多くは勤務先が用意しますが、本人が提出する書類もあります。2回目以降も一定の期間ごとに申請が続くため、最初の申請だけで全期間分が確定するとは限りません。

申請前に確認したいポイント

会社への申出と給付金申請を混同しない

育児休業を取るための社内手続きと、給付金を受け取るための手続きは別です。社内の休業申請を済ませただけでは、給付金の申請が完了していないことがあります。誰が、いつ、どの書類を提出するのかを確認しましょう。

初回の入金まで余裕を持つ

給付金は、育児休業に入った直後に給与と同じタイミングで振り込まれるとは限りません。申請できる時期やハローワークの審査があるため、最初の入金まで時間がかかることがあります。数か月分の生活費を預貯金で準備しておくと安心です。

給与や賞与の扱いを確認する

育児休業中の給与や賞与の扱いは、勤務先の就業規則によって異なります。給与が一部支払われると給付額が調整される場合があるため、「会社から受け取るお金」と「雇用保険から受け取るお金」を分けて確認してください。

申請期限を会社任せにしない

申請には期限があり、給付の種類や休業開始日によって提出時期が異なります。制度改正で様式や手続きが変わることもあります。人事・労務担当者に任せきりにせず、申請予定日と必要書類を自分でもメモしておきましょう。

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育児休業前に家計を整理しよう

育児休業給付金は心強い制度ですが、休業前と同じ日に同じ金額が入るとは限りません。出産後は、おむつ代や育児用品代など新しい支出も増えます。休業前に次の項目を整理しておくと、家計の見通しを立てやすくなります。

  • 毎月の最低限の生活費
  • 育児休業中に会社から支払われる給与や手当
  • 給付金の概算額と初回入金までの期間
  • 住民税や会社の福利厚生費などの支払い方法
  • 保育所の申込時期と職場復帰の予定

なお、本記事は執筆時点の一般的な制度・考え方を説明したものです。支給要件、給付額の上限、申請期限や必要書類は改正されることがあるため、最新情報は厚生労働省、ハローワーク、勤務先などの公式情報でご確認ください。

まとめ

育児休業給付金は、育児休業中の収入減少を補う雇用保険の制度です。対象になるには雇用保険の加入期間などの条件があり、休業中の就業日数や給与によっては給付額が変わります。

大切なのは、育児休業の社内申請と給付金の申請を早めに確認することです。入金までの生活費や住民税の支払いも含めて準備し、安心して育児に向き合える家計を整えましょう。

FAQ

Q1. 育児休業給付金は会社から支払われますか?

A. いいえ。給付金は原則として雇用保険から支給されます。ただし、申請は勤務先を通じて行うのが一般的です。会社独自の育児手当や休業中の給与とは別に確認してください。

Q2. 育児休業中に少し働くと給付金はもらえませんか?

A. 一時的に働いただけで必ず対象外になるわけではありません。ただし、支給対象期間ごとに就業日数や時間の条件があり、給与額によって減額または不支給になる場合があります。働く前に勤務先やハローワークへ確認しましょう。

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