同じ投資信託なのに含み益が違うのはなぜ?同僚と比べる前に確認したい3つのポイント

資産形成

「同僚と同じ投資信託を買っているのに、自分の含み益は少ない。選び方を間違えたのだろうか」と不安になっていませんか。

同じ投資信託を保有していても、含み益が同じになるとは限りません。買い始めた時期、毎回の積立額、追加購入の有無などによって、平均購入単価と保有口数が変わるからです。

大切なのは、同僚に勝っているかではなく、自分がどの価格で何口買い、現在どのくらい増減しているかを整理することです。本記事では、含み益に差が出る仕組みと、積立設定を見直す際の3つの確認点を解説します。

同じ投資信託でも含み益が違うのは自然なこと

含み益とは、現在の評価額が購入に使った金額を上回っている状態です。まだ売却して利益を確定していないため、「含み」という言葉が使われます。

おおまかには、現在の評価額からこれまでの購入金額を差し引けば、含み損益を把握できます。ただし、同じ投資信託を持つ2人でも、買った日と金額が異なれば結果は変わります。

投資信託の値段にあたる「基準価額」は日々変動します。基準価額が低い日に買えば同じ金額でも多くの口数を取得でき、高い日に買えば取得できる口数は少なくなります。積立を続けると、各回の購入価格をならした「平均購入単価」が一人ひとり異なってくるのです。

たとえば、価格が上昇する前から積み立てていた人は、比較的低い価格で購入した口数を多く持っている可能性があります。一方、上昇した後に始めた人は、同じ商品でも平均購入単価が高くなり、現時点の含み益率が低く見えることがあります。

したがって、「同じ商品なのに差がある」という事実だけでは、運用の良し悪しは判断できません。

確認したい点1:積立開始日と実際の買付日

最初に確認したいのは、積立を設定した日ではなく、実際に買付が行われた日です。

投資信託は、積立設定をした瞬間の価格で買えるとは限りません。注文、代金の引き落とし、買付、口座への反映までに時間差が生じる場合があります。海外資産を含む商品では、参照される市場の値動きや為替の影響を受けることもあります。

同僚が「同じ月に始めた」と話していても、一方は月初、もう一方は月末に買い付けていれば、その間の値動きによって購入価格が変わります。開始月が数か月違えば、差はさらに大きくなる可能性があります。

取引履歴で確認する項目

  • 初回の買付日
  • 各回の買付金額と基準価額
  • 取得した口数
  • 積立が実行されなかった月の有無

給与日やカードなどの決済日に近い日を選べば、必ず有利になるわけではありません。将来の値動きを正確に予測し、毎回安い日だけを選ぶのは難しいためです。

積立日を頻繁に変更するより、家計上無理なく継続できる日を決めることが基本です。積立投資の考え方を整理したい場合は、会社員のための積立投資入門|ドルコスト平均法とリスクとの付き合い方も参考になります。

確認したい点2:毎月の金額と途中の増減

次に、現在の積立額だけでなく、これまで実際に投資した金額の推移を確認します。

現在は2人とも月3万円を積み立てていても、最初から同額だったとは限りません。同僚が早い時期に多く投資していれば、値上がり前に取得した口数が多くなり、含み益の金額も大きくなりやすいでしょう。

反対に、相場が高い時期に積立額を増やした場合は、投資元本が大きくても含み益率が低く見えることがあります。重要なのは「利益の金額」と「利益率」を分けて見ることです。

金額と率では意味が異なる

多額を投資した人は、利益率が同程度でも含み益の金額が大きくなります。そのため、含み益の金額だけを比べると、投資成果ではなく元本の差を比較していることになりかねません。

比較するなら、評価額、累計購入金額、含み損益額、含み損益率の4項目を一緒に確認しましょう。分配金を受け取ったり、途中で一部を売却したりしている場合は、それらも含めないと運用全体の結果を正しく捉えにくくなります。

積立額は競争で決めるものではありません。生活費や緊急時に使う現金を確保したうえで、相場が下落しても続けられる金額にすることが大切です。金額の判断に迷う場合は、つみたて投資は月1万円と月3万円でどれだけ変わる?会社員の積立額の決め方も確認してみてください。

同じ投資信託なのに含み益が違うのはなぜ?同僚と比べる前に確認したい3つのポイント

確認したい点3:臨時購入・停止・売却の履歴

3つ目は、毎月の自動積立以外の取引です。同じ商品と積立額でも、ボーナスで追加購入した人と、自動積立だけの人では保有口数が異なります。

また、残高不足などで積立が実行されなかった月、家計の都合で停止した期間、一部を売却した履歴も結果に影響します。本人が忘れている場合もあるため、記憶ではなく取引履歴で確かめましょう。

一括購入が有利だったとは限らない

値上がり前に臨時購入できた人は、後から見ると大きな利益を得ているように見えます。しかし、それは結果が判明した後だから言えることです。購入直後に価格が下がる可能性もあり、一括購入が常に積立より有利とは限りません。

同僚の成功例を見て、生活資金まで慌てて追加投資するのは避けたいところです。追加購入を考える場合は、次の基準で判断しましょう。

  • 近いうちに使う予定のないお金か
  • 購入後に大きく値下がりしても保有を続けられるか
  • 特定の資産や地域に投資先が偏りすぎないか
  • 当初決めた資産形成の目的と期間に合っているか

含み益の差を見て積立設定を変えるべきか

同僚より含み益が少ないという理由だけで、商品や積立日を変える必要はありません。見直しの基準は、他人の成績ではなく、自分の目的と家計です。

まず、老後資金や将来の大きな支出など、何のために、いつまで積み立てるのかを確認します。そのうえで、現在の積立額を続けても日常生活に支障がないか、商品の値動きが自分の許容範囲に収まっているかを考えましょう。

含み損益は確認した日の価格によって変わる途中経過です。短期間の順位を追うと、上昇後に積立額を急増させたり、下落時に怖くなって売却したりする原因になります。

確認の順番は、次のようにすると整理しやすくなります。

  1. 累計購入金額と現在の評価額を確認する
  2. 初回買付日、平均購入単価、保有口数を確認する
  3. 積立停止や臨時購入などの履歴を確認する
  4. 家計と投資目的に照らして継続可能か判断する

値下がりによって不安になっている場合は、投資信託の含み損が20万円でも積立を続けるべき?やめる・続けるを判断する5つの基準も判断材料になります。

なお、本記事は執筆時点における一般的な制度と考え方を説明するものであり、将来の運用成果を保証するものではありません。制度や取引条件は変更される可能性があるため、最新情報は公的機関や各社の公式情報でご確認ください。

よくある質問

Q1. 積立日は月初と月末のどちらが有利ですか?

どちらが有利かは、その後の値動きによって変わるため、事前には判断できません。過去の結果だけを見て積立日を変更しても、次回以降も同じ傾向が続くとは限りません。給料の受取日や口座残高を考え、積立を確実に続けやすい日を選ぶのが現実的です。

Q2. 同僚より利益率が低ければ、投資信託を変更すべきですか?

利益率の差だけで変更する必要はありません。開始時期や平均購入単価が違えば、同じ商品でも利益率は変わります。変更を検討する際は、運用方針、投資対象、コスト、資産の偏り、想定する保有期間が自分の目的に合っているかを確認しましょう。

まとめ

同じ投資信託でも、買付日、積立金額、臨時購入や停止の履歴によって含み益は変わります。

同僚と比べる前に、累計購入金額、平均購入単価、保有口数、含み損益率を確認しましょう。

積立設定を見直す基準は短期的な成績ではなく、自分の目的、運用期間、家計に無理なく続けられるかどうかです。

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