手取り32万円で住宅ローン返済中、なぜ貯金できない?固定費から見直す判断ポイント

家計の節約

手取り32万円で住宅ローンを返済していると、「ぜいたくをしているつもりはないのに、なぜか貯金できない」と悩むことがあります。

子育て中は、住宅費や車、保険、教育費など、簡単には減らせない支出が重なります。食費や日用品を細かく削っても、家計が思うように改善しないケースは珍しくありません。

そこで今回は、夫婦と子供1人で暮らす「手取り32万円のモデル家計」を使い、貯金できない原因の見つけ方を解説します。これはあくまで説明用の設定であり、私自身の手取りを示すものではありません。

家計改善で大切なのは、何でも我慢することではなく、支出の全体像をつかんで効果の大きい項目から判断することです。

手取り32万円でも貯金できない原因は固定費にある

毎月の収入が32万円あっても、先に引き落とされる固定費が大きければ、自由に使えるお金はほとんど残りません。

仮に、次のようなモデル家計を考えてみます。

固定費の項目 月額
住宅ローン 9万円
固定資産税・修繕費などの積立 2万円
水道光熱費 2万円
通信費 1万5,000円
生命保険・医療保険 2万5,000円
車のローン・維持費 4万円
教育費 2万円
定額サービス 5,000円
合計 23万5,000円

手取り32万円から固定費23万5,000円を引くと、残りは8万5,000円です。ここから食費、日用品、衣服、医療、交際費、レジャーなどを支払えば、貯金に回せるお金が残りにくいことがわかります。

つまり、この家計で貯まらない主な原因は「日々の小さな浪費」とは限りません。収入の約7割を固定的な支出が占め、毎月の選択肢が狭くなっていることが問題です。

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貯まらない原因を見つける3つの数字

1.固定費が手取りの何割を占めているか

最初に確認したいのは、固定費の合計額と手取りに占める割合です。目安だけで良し悪しを決めるのではなく、固定費を払ったあとに食費などの変動費と貯蓄を確保できるかまで見ます。

固定費は一度契約すると、意識しなくても毎月出ていきます。反対に、一度見直せば効果が継続しやすい支出でもあります。家計簿を細かく続けるのが難しい方ほど、通信費、保険、車、定額サービスから確認すると効率的です。

固定費の見直しで年間10万円を目指す|無理なく家計を軽くする方法

2.住宅関連費用を合算できているか

住宅費を考えるとき、住宅ローンの返済額だけを見てはいけません。持ち家では固定資産税のほか、将来の修繕に備えるお金も必要です。

税金や修繕費を年単位の支出として放置すると、その支払月だけ家計が赤字になりがちです。年間の見込み額を12で割り、毎月の住宅関連費として積み立てると実態を把握しやすくなります。

3.特別費を貯金と混同していないか

口座残高が増えていても、固定資産税、自動車関係、保険料、家電の買い替えなどに使う予定があるなら、その全額を貯金とは呼べません。

「近いうちに使う特別費」と「当面使わない貯蓄」を分けましょう。特別費を除いたあとにも残高が増えているかを見ることで、本当に貯まっている金額がわかります。

貯蓄は余ったらするのではなく、給料が入った段階で先に確保する方法も有効です。

お金が貯まらないのはなぜ?先取り貯蓄で「勝手に貯まる仕組み」をつくる方法

固定費はどこから見直すべきか

固定費から見直すのには理由があります。1つは金額が大きいこと、もう1つは一度見直せば効果が続き、その後は手間がかからないことです。食費などの変動費は日々の工夫が必要で、手間が継続してかかります。

私は保険、通信費、車の順番で固定費を見直し、最後に変動費の食費を見直しました。家賃・住宅ローンは金額が最も大きいため真っ先に思い浮かびますが、引っ越しや借り換えは手続きの負担が大きく、特に子供がいる家庭では変更のハードルがかなり高くなります。

項目 効果 ハードル 手間 概要
住居費
(家賃・住宅ローン)
引っ越しや住宅ローンの借り換えが必要で、特に子育て世帯は変更のハードルが高い
保険 中〜大 保障内容を整理して一度見直せば、その後は効果が続く
通信費 プランや契約内容を見直せば、その後は効果が続く
中〜大 買い替えや乗り換えのタイミングでまとめて見直す
食費
(変動費)
小〜中 継続 日々の工夫が必要で、固定費と違い手間が継続してかかる

この表からもわかるように、ハードルが低く効果が高い項目から見直していくのがポイントです。住居費は効果こそ大きいものの、ハードルと手間の両方が高いため、優先順位としては後回しにしても構いません。

保険は保障の重複と目的を確認する

保険料が高い場合は、いきなり解約するのではなく、誰のために、どのような事態に備える契約なのかを整理します。似た保障が重複していたり、必要以上に手厚くなっていたりすれば、見直す余地があります。

保険は必要最低限を意識し、不要な保障を持たないことが最優先だと考えています。保険料は基本的に年払いにしていますが、支払い方による差より、そもそも必要な契約かどうかのほうが重要です。

保険料の見直し方。会社員が入りすぎを防ぐための考え方

通信費と定額サービスは利用状況を見る

通信プランは、契約時ではなく現在の使用量に合っているかを確認します。端末代やオプションを含めて家族全体の金額を出すことも大切です。

定額サービスは1件あたりの金額が小さくても、複数契約すると負担が膨らみます。「最近使ったか」「同じ用途のサービスがないか」を確認し、使っていないものから解約します。

車は購入価格ではなく総額で考える

車にはローンのほか、保険、税金、車検、燃料、整備などの費用がかかります。月々の返済額だけで判断すると、家計への負担を小さく見積もってしまいます。

わが家では中古のミニバンを、頭金20万円と地方銀行の10年ローン150万円で購入し、月々約1万6,000円を返済しています。高年式・高走行距離の中古車を選んだのは、見栄よりも家族に必要な広さと支出のバランスを重視したためです。

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見直すか迷ったときの判断手順

固定費を見直すときは、次の順番で考えると判断しやすくなります。

  1. 契約内容と年間支払額を一覧にする
  2. 生活に欠かせないか、代わりがあるかを確認する
  3. 減額・プラン変更・解約による年間効果を比べる
  4. 手続きの負担や解約条件を確認する
  5. 見直し後の金額を先取り貯蓄へ回す

削減額だけでなく、満足度が大きく下がらないかも判断材料です。私の場合は、服はユニクロの同じものを3〜4着ローテーションし、服選びに使う時間や意識を減らす一方、家族との時間や体験にはメリハリをつけてお金を使うようにしています。

すべてを我慢するより、見栄に使うお金を抑え、家族の満足度が高い体験には計画的に使うほうが続けやすいからです。

『サイコロジー・オブ・マネー』では、お金の判断は数学だけでなく、心理や置かれた環境にも左右されると言われています。また、富とは使わずに残せているお金であり、貯蓄率が将来の自由度を左右するという考え方も紹介されています。

周囲と比較して支出を増やすのではなく、自分の家庭にとっての「足る」を決めることが、無理のない家計改善につながります。

よくある質問

Q1.固定費が高ければ、住宅ローンを最初に見直すべきですか?

必ずしも住宅ローンが最優先とは限りません。借り換えには諸費用や条件があるため、削減効果との比較が必要です。まずは通信費、不要な保険、使っていない定額サービスなど、暮らしへの影響が小さく、見直しやすい項目から確認しましょう。

Q2.毎月赤字ではないのに貯金が増えないのはなぜですか?

年払いの保険料、税金、車検、旅行、家電の買い替えなど、毎月は発生しない支出が原因かもしれません。年間の特別費を洗い出して毎月積み立て、それとは別に先取り貯蓄を確保すると、実際の収支が見えやすくなります。

※本記事は執筆時点における一般的な家計管理の考え方を説明したものです。税金、保険料、各種制度、金融商品や契約条件などの最新情報は、公的機関や各社の公式情報でご確認ください。

まとめ

手取り32万円のモデル家計で貯金できない原因を探るときは、食費などを細かく削る前に、固定費の総額を確認することが重要です。

今回の例では、固定費23万5,000円を払うと残りは8万5,000円です。住宅関連費用や特別費まで含めて考えなければ、「浪費していないのに貯まらない」という状態になりやすいでしょう。

まず固定費の割合を出し、住宅ローン以外の住居費を合算し、特別費と純粋な貯蓄を分けます。そのうえで、保険、通信費、定額サービス、車などを年間金額で比較してください。

節約の目的は、生活の楽しみをすべて削ることではありません。見栄や満足度の低い支出を減らし、残したいお金と大切にしたい体験へ振り分けることが、忙しい子育て世帯にも続けやすい方法です。

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