社会人1年目、お金の管理に不安を感じていませんか?周りの人はどれくらい貯金しているのか、どうすれば賢くお金を増やせるのか、気になることはさまざまですよね。この記事では、社会人1年目が知るべきお金のリアルな情報と、将来の不安を解消し生活の質を向上させるためのお金の常識をわかりやすく解説します。ぜひ参考にして、今日からお金の達人を目指しましょう。
社会人1年目のお金事情 みんなのリアルな声

社会人としてスタートを切ったばかりの1年目。お金に関して、多くの人が同じような悩みを抱えています。ここでは、社会人1年目のリアルなお金事情を見ていきましょう。自分の状況と比較しながら読み進めてみてください。
社会人1年目の初任給と手取りの平均額
社会人1年目の初任給は、学歴や企業規模、業界によって異なりますが、大学卒の平均は約21万200円です。これは厚生労働省が2019年に発表した「令和元年賃金構造基本統計調査結果(初任給)の概況」によるもので、大学院修士課程修了者の平均が23万8,900円、高専・短大卒が18万3,900円、高校卒が16万7,400円となっています。
初任給の平均額を月21万200円とした場合、ボーナスを含めた年収の目安は約250万円から300万円程度になると考えられます。ただし、この年収は「額面」であり、実際に手元に残る金額(「手取り額」)は、所得税や住民税、社会保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険)などが差し引かれるため、額面の約75%〜85%程度になります。
具体的な年収に対する手取り額の目安は年収250万円の場合は年間の手取り額は約201万円、月あたりの手取り額は約17万円です。年収300万円の場合は年間の手取り額は約240万円、月あたりの手取り額は約20万円です。
1年間の生活費はどのくらい?一人暮らし・実家暮らしのケース
一人暮らしの場合、1年間にかかる生活費は年間約203万円から207万円とされています(総務省「家計調査報告(家計収支編)単身世帯詳細結果表」(2023年)より)。内訳は食費、住居費、光熱費、通信費などさまざまです。
一人暮らしの場合、自由に使えるお金は月々ほとんど残らないか、赤字になる可能性も考えられます。月の手取り額が約17万円(年収250万円の場合)に月の生活費が約16.9万円(年間203万円の場合)とすると自由に使えるお金は月々 約1,000円です。年収300万円(手取り約20万円)の場合でも、自由に使えるお金は月々約3万円となり、急な出費などを考えると余裕があるとは言えません。一人暮らしの場合は、計画的な支出管理が不可欠です。
一方、実家暮らしの場合は、年間約88万円から99万円と、一人暮らしに比べて大幅に費用を抑えることができます。住居費や食費がかからない分、実家暮らしの方が貯蓄しやすい傾向にあります。
月の手取り額が約17万円(年収250万円の場合)に月の生活費が約8.3万円(年間99万円の場合)とすると自由に使えるお金は月々 約8.7万円となります。手取りの約半分を自由に使える計算になり、この中から実家に生活費を入れたとしても、十分に自己投資や貯蓄に回せる金額が残ります。この期間を「お金を貯める・増やすためのゴールデンタイム」と捉え、将来を見据えた資産形成を始める絶好の機会とすることが重要です。
社会人1年目で貯金している人はどれくらい?平均と中央値
ソニー生命の調査「社会人1年目と2年目の意識調査2024」によると、社会人1年目の貯蓄額の平均は年間49万円です。
しかし、「貯蓄の平均値・中央値はいくら?ライフイベントや月毎に貯めたい金額も紹介」によると、20代の平均貯蓄額は100万円未満が最も多く(22.6%)を占め、次いで100〜200万円未満が多い(10.7%)です。これらのことから多くの20代が、貯蓄に苦戦しているのが現状です。
社会人1年目から貯金が必要な理由とは

「お金がなかなか貯まらない」と感じていても、なぜ社会人1年目から貯金が必要なのでしょうか。その理由は、将来にかかる大きな出費に備えるためです。若いうちから計画的にお金を貯めることの重要性を理解しましょう。
将来かかるお金を把握しよう
人生には、結婚、子育て、住宅購入、車の購入など、さまざまなライフイベントがあります。例えば、結婚には約415.7万円、子どもの教育費は公立でも約574万円、住宅購入には約4,000万円以上かかるのが一般的です。これらはあくまで一例であり、海外留学や転職など、人によって必要となる費用は異なります。これらの大きな出費に備えるためにも、若いうちからの貯金は欠かせません。
ライフイベントに備える貯蓄目標額の設定
ソニー生命の調査では、社会人2年目が考える30歳時点の目標貯蓄額は平均986万円です。新卒から30歳までの8年間で、年間約123万円を貯める計算になります。社会人1年目の平均貯蓄額49万円と比べると、この目標達成がいかに難しいかわかるでしょう。
しかし、具体的な目標を設定することで、貯金への意識が高まり、計画的に取り組めるようになります。将来のライフプランを具体的に描き、必要な貯蓄額を算出してみましょう。
社会人1年目から無理なく貯金する5つのコツ

社会人1年目からでも、無理なく貯金を続けることは可能です。ここでは、今日から実践できる効果的な貯金術を5つご紹介します。自分に合った方法を見つけて、ぜひ試してみてください。
1. 貯金の目標額を明確にする
貯金を始める前に、まずは具体的な目標額を設定しましょう。「いつまでに」「いくら」貯めるのかを明確にすることで、貯金へのモチベーションを維持できます。例えば、「半年後に旅行資金として10万円貯める」「1年後に緊急予備資金として30万円貯める」など、短期的な目標と長期的な目標を立てるのがおすすめです。目標が明確であれば、日々の節約も楽しくなります。
2. 毎月の収入と支出を把握する家計簿のつけ方
お金を貯める基本は、自分の収入と支出を正確に把握することです。家計簿をつけることで、何にどれくらいお金を使っているのかが見える化されます。手書きの家計簿でも、スマホアプリでも構いません。まずは1ヶ月間、全ての支出を記録してみましょう。無駄な出費が見つかり、改善点を発見するきっかけになります。家計簿は、お金の現状を知るための大切なツールです。
3. 「先取り貯金」で着実に貯める仕組みを作る
貯金を成功させる最も効果的な方法の一つが「先取り貯金」です。これは、給料が入ったらまず貯蓄する分を別の口座に移し、残ったお金で生活するという仕組みです。最初に貯蓄分を確保することで、使いすぎを防ぎ、着実に貯金額を増やすことができます。給与天引き制度や、自動積立定期預金などを活用すれば、意識せずにお金が貯まる環境を作れます。
4. 固定費を見直して節約効果を高める
生活費には、毎月決まってかかる「固定費」と、変動する「変動費」があります。固定費は、家賃、通信費、保険料などが該当します。一度見直せば、継続的な節約効果が期待できるため、積極的に取り組むべき項目です。例えば、スマホの格安SIMへの乗り換えや、不要なサブスクリプションサービスの解約など、小さな見直しから始めてみましょう。固定費の削減は、貯金への大きな一歩です。
5. お金が貯まるマインドを育む
貯金はテクニックだけでなく、マインドセットも重要です。「なぜ貯金するのか」「貯金したお金で何をしたいのか」を常に意識することで、お金に対する考え方が変わります。衝動買いを避ける、無駄遣いをしないなど、日々の行動がお金にどう影響するかを考えてみましょう。また、お金に関する知識を増やすことも大切です。お金の勉強を習慣化し、貯金が楽しくなるマインドを育んでいきましょう。
貯金と並行して資産形成を始めよう

貯金だけでなく、資産形成も将来のお金に関する不安を解消する大切な手段です。若いうちから資産形成を始めることで、複利の力を最大限に活用できます。ここでは、資産形成の代表的な方法とその注意点をご紹介します。
NISAの基本を知る
NISA(少額投資非課税制度)は、投資で得た利益が非課税になるお得な制度です。2024年から新制度が始まり、年間最大360万円、生涯では1,800万円まで非課税で投資できます。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があり、併用も可能です。少額から始められるため、投資初心者でも挑戦しやすいのが特徴です。
iDeCoの基本を知る
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を拠出し、自分で運用する私的年金制度です。掛金が全額所得控除の対象となるため、所得税や住民税を節税できるメリットがあります。運用益も非課税で再投資されるため、効率的に資産を増やせます。ただし、原則60歳まで引き出しができないという制約があります。老後資金の形成に特化した制度といえるでしょう。
投資を始める際の注意点
投資には、元本割れのリスクがあることを理解しておく必要があります。必ずしも利益が出るとは限らないため、無理のない範囲で、余剰資金を使って始めることが大切です。また、分散投資を心がけ、一つの金融商品に集中しすぎないようにしましょう。長期的な視点を持ち、一時的な価格変動に一喜一憂しないことも、投資で成功するための重要なポイントです。
まとめ

社会人1年目のお金に関する不安は、誰もが経験するものです。この記事では、初任給の手取りから生活費、貯金の実態まで、社会人1年目のお金に関する常識を解説しました。そして、貯蓄の目標設定、家計簿、先取り貯金、固定費の見直し、お金のマインドといった貯金するための5つのコツを紹介しました。さらに、NISAやiDeCoなど、貯金と並行して始めるべき資産形成についても触れました。
今日からこの記事で紹介した貯金術を実践し、賢くお金を管理していきましょう。早めに行動することで、将来のお金の不安をなくし、より豊かな社会人生活を送れるようになります。あなたのお金に関する不安が解消され、毎日をいきいきと過ごせることを応援しています。


コメント